純情産地いわて「みどり戦略ビジョン」

「みどり戦略ビジョン」令和6年度の総括

1.土壌診断による適正施肥

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・R5~R7:土壌分析 6,000件/年(県内のみ)
6年度の成果
  • ・土壌分析件数:5,230件(2月末実績)
  • ・簡易検査キット「スマートみどりくん」を紹介
  • ・くみあい肥料と連携し農家推進時に土壌診断の提案を行い適性施肥の取り組みを促進

2.耕畜連携による資源循環

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・WCS
    R5:2JA計2.8haにて良品質栽培・地域内供給の検証実施
    R7までに県内で実証面積計10haを目標とする
  • ・鶏ふんのBB肥料原料化に向けた取組み
    R5~6:試験、R6~7:実証・普及
6年度の成果
  • ・WCS
    モデル農家の作付け面積 R5:2.6ha → R6:5.3ha
  • ・西和賀地域では稲WCS1,600ロール(うち専用品種650ロール)を生産し、2戸の酪農家に販売斡旋した
  • ・4戸の酪農場に合計約1,300個のWCSを斡旋できた

3.水稲栽培における「秋耕」の実施、またはそれに準じた取り組み実施

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・R5~R7:全JAで「秋耕作作業」について、栽培履歴・栽培記録簿に100%掲載
  • ・~R12:JAいわてグループが取り扱う米はすべて環境負荷低減米を目指す
6年度の成果
  • ・「JAいわて平泉」「JA岩手ふるさと」において、66経営体・1,190haの中干し延長を実施
  • ・令和7年産米において、「JA新いわて」「JAいわて花巻」でも中干し延長の取り組むこととなった

4.園芸施設へのヒートポンプの導入

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・新規導入および長期運用器具の更新における提案
6年度の成果
  • ・先進園芸実証ハウス(ピーマンハウス)視察及び研修者に対し、ヒートポンプの導入経過や運用状況を説明
  • ・会議の場でも取り組み結果を報告
  • ・ヒートポンプの県内導入事例はないが、光合成促進機(炭酸ガス発生装置)は花巻、岩手ふるさと(いちご農家)に導入されている(2件)

5.特別栽培や省農薬・省化学肥料による生産

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・特別栽培農産物栽培面積維持
    R4:主食用米6,630ha(生産面積比15%)
    → R7:6,630㏊(17%)
    ※野菜(25ha)、果樹(130ha)もR4同水準を維持
  • ・化学農薬、化学肥料使用量を慣行比▲20%(特栽含む)
    R4:農薬成分抑制水稲10,580ha(生産面積比24%)
    → R7:10,580㏊(26%)
    ※園芸品目は収量への影響を勘案しつつ削減に努める
    ※化学肥料の削減は、R5の堆肥等の使用状況を鑑み、今後検討する
6年度の成果
  • ・特別栽培認証数量
    水稲:16,892.3㌧(前年比▲624.3t)
    りんご:362.5㌧(前年比+13.9t)
  • ・特別栽培米集荷実績
    R4:19,993㌧
    R5:16,592㌧
    R6:15,662㌧
  • ・特別栽培米を含めコスト増嵩分の価格転嫁を実施
  • ・園芸品目でバイオスティミュラント資材を用いた減肥栽培試験を実施

6.ネオニコチノイド系の従来殺虫剤を極力使わない防除体系の検討

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・新規薬剤等に関する情報収集と実証試験
6年度の成果
  • ・メーカーヒアリングを実施し情報収集を行った
    (11月〜12月 計8社)
  • 試験サポートについては、R7年作での試験展示についてメーカー確認をすすめる
  • 一部圃場条件が悪く、効果が判然としない部分もあった
  • 新規薬剤も含め次年度実証計画を策定し、試験圃場主にも承諾を得た

7.有機農業に向けた取り組み支援

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・情報収集および実践手段の検討、周知の実施
6年度の成果
  • ・JA営農担当部長会議(11/5)や、TACミーティング等で情報提供を行った
  • ・次年度の有機栽培小麦の取り組みについて販売先・JA・生産者・本会で協議を実施し、4者が共通認識のもと生産販売に取り組むことを確認

8.農業用プラスチックの排出抑制

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・被覆肥料代替施肥技術の実証と普及
    R5:実証・普及
    R6:普及
    R7:実用
6年度の成果
  • ・代替肥料実証試験結果としては、同じN量だと慣行LP肥料の10〜15%程度減収した
  • ・代替肥料による試験結果をくみあい肥料作成資料により状況を共有した
  • ・次年度以降の被覆肥料対応についてJAいわて花巻、JA岩手ふるさとと協議を実施した

9.集約的園芸生産施設の設置

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・R5:ハウス栽培用ヒートポンプ空調機、施設園芸用木質バイオマス暖房機、施設園芸向け太陽光発電及び蓄電システムを導入予定
  • ・R6:実証栽培開始、以降、順次県内推進強化をはかる
6年度の成果
  • ・棟数を追加(C棟)
  • ・太陽光発電を12月に設置済み
  • ・R6反収実績は約17㌧で、当初目標20㌧には未達も、上期時点の見込み(反収15㌧)はクリアした

10.集乳事業の一元化

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・R5~:生産者・JA・県本部による検討
6年度の成果
  • ・JAいわて平泉、JA岩手ふるさと(楽酪)との打ち合わせを実施
  • ・今後の生産量減少にともなう集乳路線案を提案し協議中

11.牛の健全育成

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・R5~:情報収集および実証試験の検討
6年度の成果
  • ・情報収集を実施
  • ・くみあい飼料にて大規模肉牛農場でバイパスアミノ酸給与による取り組みを開始した

12.再生可能エネルギー設備の設置促進

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・R5~R6:設置に適した施設の情報収集とシステムの周知、取扱機器の選定と方向性の確認
  • ・R7~:導入に適した施設への導入提案
6年度の成果
  • ・PPA事業による(株)いわちくへの太陽光パネルの設置については、結果として豚処理加工施設のみの設置
  • ・同社肉牛加工施設および物流センターへの設置も検討
  • ・県本部園芸生産実証農場への太陽光関連設備(太陽光パネル、蓄電池システム)を設置

13.「Xarvio(ザルビオ)」の活用

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・ザルビオの活用
    R4:9件 → R7:累計20件
  • ・可変施肥
    R5・R6:試験実証 → R7:実践導入
6年度の成果
  • ・法人協会向け説明会、いわて平泉生産者研修会等で説明
  • ・実施の取りまとめが完了し、結果を手取り最大化プロジェクトセミナー等で紹介
  • ・ザルビオ有料会員は累計89件(2月末現在)
    R6の新規導入65件(4〜2月末実績)
  • ・可変施肥で生育ムラは解消しつつあるが、雑草や漏水等によりザルビオ以外の影響で反収増効果は判然としなかった
    都南:田植え同時
    花巻:ドローン追肥
    平泉:基肥プロキャス+ドローン追肥

14.IPM基本防除体系の実践

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・R5~:情報収集および試験実証をおこない、防除体系の確立を目指す
6年度の成果
  • ・水稲箱剤の実証結果を取りまとめた
    JA新いわて:初期害虫
    JAいわて中央:紋枯れ
  • ・メーカー各社と技術ヒアリングを実施した
  • ・実証結果からインターバル防除の可能性について協議し、次年度の試験概要を決定した

15.環境モニタリング機器等の導入促進

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・水位センサー R5~R7:50台/年導入
  • ・自動給水機 R5:試験導入開始、R6・R7:30台/年導入
6年度の成果
  • ・実証ハウス全3棟のハウス内環境を測定し観察・記録
  • ・各種会議の場でも実証圃場等の取り組み結果を報告
  • ・ハウスファーモ実証結果を資料化
  • ・広報誌での状況発信

16.省力化器具・手法の活用促進

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・既知の省力化技術を水平展開
  • ・新たな技術・機械器具等の情報収集と実証、情報発信
6年度の成果
  • ・ドローン請負事業利用実績:9経営体
    (その他、県本部実証試験で3件)
  • ・ドローン請負のR7見込み:5経営体確定
  • ・収穫ロボットを含めた取り組み内容について、本会会議、県主催会議、ネットワーク等で報告
  • ・高温対策資材については、レディヒート以外の対象資材も助成を検討
  • ・草地肥料推進時を中心にULV5を紹介
  • ・ダイロン-ザクサ普及を目的に農家注文書を作成
    (JA新いわて、JAいわて中央、JAいわて花巻)
  • ・ドローン購入済み生産者へのBBドローン追肥を紹介
  • ・農機展示会にてラジコン草刈機を紹介
  • ・ナイルワークスドローン実演実施
    千厩:こがねファーム

17.Z-GISの利用促進

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・Z-GIS
    R4:165件 → R7:累計200件
6年度の成果
  • ・部会活動・研修会・農機展など生産者が集まるイベントで情報提供を行った
  • ・農家手取り最大化セミナーで県内活用事例と新機能を紹介
  • ・利用中のユーザー数:131件
  • ・10会場での集合研修等にて提案
  • ・個別訪問:11件
  • ・導入経営体へのアフターフォロー:35件

18.V-NeKHsの活用促進

達成度
C目標を達成できなかった
目標
  • ・年契約・月契約
    R4:3件 → R7:累計20件
6年度の成果
  • ・部会活動・研修会・農機展など生産者が集まるイベントで情報提供
  • ・4会場での集合研修棟にて提案
  • ・農機展示会の営農相談コーナー内でV-NeKHsの展示紹介を実施
  • ・R6:累計6件が利用

19.生分解性マルチの活用

達成度
C目標を達成できなかった
目標
  • ・機能・取り扱い方法等の再認識に向けた情報発信
6年度の成果
  • ・農業担い手サポート事業で導入助成をメニュー化したが、「実績なし」の結果となった
  • ・通常の生分解マルチについては大きな問題はないが、紙製マルチは切れやすく強度も弱いことが判明した

20.効率的な輸送体系の確立

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・米穀ではR5~R7:紙袋輸送の50%を一貫パレチゼーション化を目指す(岩手県としての目標)
  • ・~R12:全農統一フレコン導入率を100%(現状約25%)
  • ・園芸では11型パレットを統一規格とし、出荷規格・出荷容器の対応を進める。
    → R5(新規1品目)、R6(新規2品目)
  • ・園芸ストックポイント R6:県外1か所設置
  • ・資材では11パレットに適合する段ボール規格設定の取組み
    R5:2品目、R6:2品目、R7:2品目
6年度の成果
  • 【米穀】
  • ・米穀の一貫パレチゼーションは、R7.2月時点で335㌧
    (紙袋輸送の2%)
  • ・フレコン輸送は、R7.2月時点で33,768㌧
    (全体の68%)
  • 【園芸】

  • ・りんごも組み合わせた中でJA枠を超えた集約輸送を実施
  • ・冬場の閑散期輸送については2月から開始
  • ・11レンタルパレットについては、6,500枚程度の見込み
    (前年1,416枚)

21.GAPへの取り組み

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・R5~:JA営農指導員に対し、GAP関連の各資格取得支援を実施
  • ・R5.11 JAいわて花巻(加工用ねぎ)4名、JGAP団体認証取得予定
6年度の成果
  • ・県内81産地の内、いわて国際水準GAPの取組産地
  • ・累計:13産地(R6開始:4産地)
  • ・JA新いわて東部等でG.GAP取得者の拡大意欲はあるが、目立った取り組み拡大には至っていない
  • ・県本部職員のJGAP指導員の資格取得者は増えている

22.取り組みの発信

達成度
B概ね目標を達成できた
目標
  • ・R5~R7:広報誌掲載(上下期各1回)、報道機関へのリリース(随時)、メディア媒体活用PR(上下期各1回)
6年度の成果
  • ・県本部広報誌・クラーラに掲載
    先進園芸実証農場
    耕畜連携
    省力栽培技術
    GAP
  • ・JA江刺の広報誌に「みどり戦略の取り組み」掲載
  • ・JA新いわて広報誌に「バイオスティミュラントの取り組み」掲載