スマート農業・省力化技術等のご紹介

V-NeKHs(仮想基地局)衛星測位システム

V-NeKHsとは

V-NeKHsとは、国土地理院が全国設置している「電子基準点」とJA全農いわてが設置した「仮想基地局」をもとに位置測位情報を算出し、そのデータを農業機械(トラクターや田植え機など)に受信させるシステムです。
低コストかつ精度の高い操舵を可能とし、自動操納期の活用による作業精度向上やオペレーターの軽労化を目指しています。

現状と課題認識

  • 農業機械を精密に動かすには熟練度が必要。
  • 精密作業はオペレーターの精神的・身体的負担が大きい。
    →負担軽減、非熟練者でも作業可能となる技術が必要。

主な行動・実績

  • 法人A(仮称)にて、自動操舵トラクタで利用中のVRS-PTKサービスをV-NeKHsへ切替。約20haの大豆播種を自動操舵で実施。
  • 法人B(仮称)にて、新たに自動操舵トラクタおよびVーNeKHsを導入。大豆播種作業を自動操舵で実施。
  • 法人C(仮称)にて、デモ機でそば播種を実施。

直進アシスト田植機の作業時間削減効果

No. 圃場条件 慣行 直進アシスト 削減率
1 東北(平場) 2.41h/10a 1.99h/10a 18%
2 東北(平場) 1.31h/10a 1.06h/10a 20%
※農研機構 スマ農成果ポータルより引用
(https://www.naro.go.jp/smart-nogyo/seika_portal/gijutsu/portal02_2.html)

導入コストと回収イメージ

導入・維持コスト:133万円
  • 後付け自動操舵システム(トプコンXC1/XR-1-SET):110万円
  • V-NeKHs利用料(月額料金の2ヶ月分×9年間):18万円
  • モバイルWi-Fiレンタル料(2ヶ月分×9年間):5万円
回収イメージ(水稲50ha、上記No.2の場合(0.25h/10h削減))
  • 作業時間は125時間/年の削減(500a×0.25時間)
  • 時給1,200円×125時間=15万円/年の削減。9年間で135万円。
    →約9年で回収

V-NeKHsの仮想基地局エリアマップ

V-NeKHs仮想基地局エリアマップ

V-NeKHsの利用料金

STEP1:利用コースを選択

  利用期間 利用料金(税込)
通常コース(Annual) 初月から1年間 55,000円/年
月額コース(Monthly) 初月から利用終了日を含む月の末日まで 11,000円/月

STEP2:受信用機材を選択

ご自分の利用時期、利用方法に応じて受信方法を選択!(Ntrip機能を使用できる場合は不要)
主要メーカーの自動操舵システム(後付け含む)の多くで利用できます。
お使いの自動操舵システムで利用可能かは事前にお問い合わせください。

受信方法 機材 価格(税込)
スマホ(Android)で受信 ・SmarTripアプリ(microSD)
・PARANI( Bluetooth変換器)
※別途スマホ本体と通信契約が必要です。
93,940円
専用端末で受信 ・DirecTrip本体他
・通信用SIM( 契約時に貸与)
※年間通信料は毎年発生します。
166,980円
(内通信費26,400円/年)
※自動操舵システムによってはPARANI不要の場合アリ。
※令和5年2月時点での価格です。

V-NeKHsをご使用いただいた方の声

【法人A】

以前よりも補正情報利用にかかるコストが削減できた(20万円/年→5万円/年)。
中耕時の株の踏み付けが減り、収穫ロスが軽減した。

【法人C】

非熟練者も真っ直ぐ走行する。精神的疲労がなく正確な作業ができた。
播種機の調子、種や肥料の減り具合を見ながら作業できた。